浅野中学校 浅野高等学校

校長からのメッセージ

受験生の皆さんへ



 師走になり、寒さも厳しくなってきましたが、朝、冷たく澄んだ大気を胸の奥まで吸い込みながら見る周りの風景は何かくっきりと色鮮やかに見えます。この季節の晴れた日には、学校の中学校舎からも雪を被った富士山や丹沢連山がはっきりと遠望され、私たちの目や心を慰めてくれるのです。

 小学校6年生のみなさんは、中学入試まで50日余となり、まさに追い込みの時期を迎えました。本校の高校三年生も大学入試センター試験(1月14日、15日)まで30日数日となり、そのセンター試験対策と併せて国公立大独自の二次試験や私立大学の受験勉強に、将来への夢や希望を胸にひたすら取り組んでいます。高校二年生も学園祭(文化祭・体育祭)を終えて、やっと落ち着いて大学入試への確かな意識を持ち始めました。

 さて、6年生のみなさんも、来年の中学入試に向けて頑張って勉強に取り組んでいることと思います。目には見えないこうした「努力」は、本来数値に置き換えられるものではありませんから本当に心苦しいのですが、やはり受験はどうしても入試教科の得点という結果を選抜の基本にせざるを得ません。ですから「合格」を目標として入試教科の得点力を上げなくてはいけないことはもちろんですが、個々の勉強のやり方はさて置いて、以下、残された時間での〈心構え〉についての注意を記します。

(1)心に余裕を持って──迷わないこと──
入試(選抜試験)とは、人が高い目標に向かう以上、いつの時代でも、どこの国にあっても行われてきた制度です。苦しんで自分を追い詰めるような受験にならないように、目標へ向かっての挑戦の良い機会と考え、心に余裕を持ってください。そうでなければせっかく勉強してきた力も十分に出せなくなってしまいます。模擬試験の偏差値などに振り回されることなく、決めた目標に向かって気持ちのブレがないようにすることが大切です。
(2)主体的な受験であれ
受験をするのは君たちです。お父さんやお母さん、また塾の先生のアドバイスを聞くことは大切ですが、何よりも君たち自身が「入りたい」「入ってから何をやりたい」ということをしっかりと持った受験でなくてはなりません。自分の意志や気持ちはしっかりと伝えられるようにしてください。
(3)合格神話を作らない
入試とは、合格する人がいれば不合格となってしまう人もいます。そして、不合格とは決して決定的な失敗ではありません。勉強不足ということも含めて、それは気持ちと視野を広く持ちさえすれば、小さなつまずきにすぎません。いくらでも取り返しがきくことです。世間の評価など気にすることはない。長い人生、人が正しく人であることの評価は、一時の点数などで決められるものではなく、その人の心の強さや優しさといった確かな内面の在りようこそ大切なはずです。そんな「いい男」になってください。

 入試を実施する立場としては、いささか矛盾するような〈心構え〉を書きましたが許してください。

 さて少し実際的なことに触れますと、本校の入試は、入試説明会でも説明者の教務部長がお話ししたように、合格最低点前後の20点の幅に受験者数のほぼ四分の一にあたる約400名が入る、つまり同点者がとても多いということに注意してください。そこで、本校の入試では(どこの学校の試験でも同じでしょうが、本校では特に)、1点を大切にすることです。そのための試験前の対策としては、以下のような点に注意してください。

(1)弱点部分を少なくする 各教科を全体的に見直して弱点部分を確認し、その部分の復習をやる。/得意教科で苦手な教科をカバーする。
(2)時間内に解答を記入する 試験時間内ですべて解答できるように、実戦と同じに時間を決めて問題を解く練習をする。70%超えを目標に。
(3)健康に十分気をつける 万全の体調で受験に臨む。試験当日に十分に力を発揮できるように。

次に、試験当日の注意としては、

(4)ケアレスミスをなくす 算数の計算ミス、その他各教科の設問の解答条件(「漢字で」、「カタカナで」、「○○字以内で」・・・)を見落とさない。
(5)粘っこい答案をつくる 解答欄に空欄を残さない。算数の式や、国語や社会で記述・論述問題が出たら、しっかりそのマス目を埋める。

 こうした心構えや準備ができたら、模擬試験の結果(偏差値)はあまり気にしないで胸を張って受験してください。「合格」という目標も大切ですが、そこに至るまでの君たちの「努力」こそが何より大事なことなのです。「努力」をして悔いのない受験、12歳の君たちが何かに向かって頭を使い、心を砕き、やることをやったという事実は、必ずや君たちの中に大きな自信を残してくれます。それは、将来、君たちが大きな困難に直面した時に必ずや生かされるはずです。そして、心の奥底には常に熱い「夢」や「希望」を忘れずに。

 本格的な寒さの季節になりました。風邪をひくことなく、準備万端整えて、気持ちを強く持って受験してください。

 君たちの胸の奥にはまだ形をなさない夢や希望があることでしょう。浅野学園で一緒に、ぜひその夢や希望を形あるものにしていきましょう。3年後には新しい体育館や図書館の竣工も予定していますし、学校行事やカリキュラムも必要な改革をしていくつもりです。そこにどうか君たちの力を借りたいと願っています。どうか体に気をつけて頑張ってください。

平成23年12月12日
浅野中学・高等学校長 阿 部 義 広

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